女性の悩み

突然トイレに行きたくなってヒヤヒヤしたり、寝ているとき何回もトイレに起きたりすることを、「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめていませんか?

実は、「過活動膀胱」という病気が原因かもしれません。

過活動膀胱

一般的に「頻尿」と言うと、過活動膀胱の症状である場合が多いです。膀胱が意思とは関係なく勝手に収縮する病気で、尿がわずかしかたまっていないのに急に尿意が起こります。

国内の調査では、40歳以上の日本人女性のうち約10人に1人が過活動膀胱の自覚症状があることが分かっており、年々受診者数も増加しています。

女性は元々尿道が短いため尿もれしやすく、これも女性の大きな悩みの1つとなっています。

主な症状

  • 尿意切迫感 突然生じる我慢できないような尿意
  • 頻尿 昼間に8回以上
  • 夜間頻尿 夜1回以上トイレへ行くために起きる
  • 切迫性尿失禁 尿意切迫感と同時、もしくは直後に失禁をしてしまう

主な原因

  • 神経系のトラブル:脳梗塞、パーキンソン病などによって脳と膀胱の筋肉を結ぶ神経の回路に障害が起きた場合
  • 骨盤底筋のトラブル:出産や加齢によって、膀胱・子宮・尿道などを支える骨盤底筋が傷んだり、弱くなったりした場合
  • その他の原因:上記以外の原因で膀胱の神経が過敏になる場合や原因が分からない場合

診察の流れ

受付尿検査問診エコー検査を含む診察

基本的に、医師の前で服を脱ぐことはありません。
尿検査は過活動膀胱以外の病気(感染症やがんなど)がないかを調べるために行います。
問診が大切なので、不安なこと、気になることはなんでもご相談ください。

治療


尿失禁治療装置

  • 尿失禁治療装置による治療
    当院では服を着たまま尿失禁を治す干渉低周波治療を行っています。治療は痛みを伴う事はなく、1回20分間、治療最初の3週間は週2回の計6回で開始し、後は月に2回の通院をしていただきます。
    干渉低周波治療は保険診療となります。
  • 薬物療法
  • 骨盤底筋体操
  • 手術療法
    過活動膀胱の治療で手術を行うことは基本的にありません。薬物治療と行動療法(骨盤底筋体操など)をしっかりと継続すれば症状を抑えられることがほとんどです。
    ただし、腹圧性尿失禁(お腹に力が入ったときに尿がもれてしまう病気)をお持ちで、薬物治療と行動療法では症状が改善しない場合は外科手術が検討されるケースもあります。

※尿失禁治療装置による治療ができない方

  • 妊娠又は、妊娠の可能性がある女性
  • 心臓ペースメーカーなど体内に金属を入れている方
  • 産後1ヶ月以内の女性
  • 不整脈のある方
  • 生理中の女性
  • 糖尿病などによる高度な末梢循環障害による知覚障害のある方

日常生活の中でできる過活動膀胱の治療

膀胱訓練

膀胱に貯められる尿量を増やすために、トイレに行きたくなってもしばらく我慢する訓練です。
最初は短い時間我慢することから始めて、慣れてきたら我慢する時間を15分~60分単位で段々と延ばしていきましょう。

骨盤底筋体操

尿道、腟、肛門を締める力を鍛える体操です。基本の動きを覚え、日常生活の中でこまめに実践しましょう。
はじめは1回5分間ほどから始めて、10分、20分と少しずつ時間を延ばしていきます。

基本の動き

STEP1
仰向けになって、両足を少し開いて膝を立てた姿勢をとります
STEP2
尿道・肛門・腟をきゅっと締めたり緩めたりし、これを2~3回繰り返します
STEP3
尿道・肛門・腟をぎゅうっと締めて3秒ほど静止し、その後ゆっくりと緩めます
これを2~3回繰り返します
少しずつ引き締める時間を延ばしていきましょう

生活の中に骨盤底筋体操を取り入れる

  • 朝・晩・布団の中
    膝を床につき、肘をクッションに乗せて頭を支えて行う
  • 日常生活の合間に
    テーブルを支えに両足を肩幅に開いて立ち、手を机の上に乗せて行う
  • テレビを見ながら
    両足を肩幅に開いて椅子に座り、足の裏の全面を床につけて行う

できる範囲で少しずつ取り入れてみましょう。